国連への期待

 日本が国際連盟を脱退し、戦争へ傾斜していく過程をつぶさに見た師である。なによりも戦争遂行のためにの思想統制をはかった治安維持法により牧口先生を獄中で失っただけに、その思いは強かった。
 仏法者として、また師の遺訓のままに、私は一貫して国連中心主義で行動してきた。これまでお会いした数多くの識者、リーダーも同じ意見であった。
 「百の生涯を生きた」と称されるフランスの行動的知識人アンドレ・マルロー氏。薄いグリーンの瞳を炯々(けいけい)と光らせ、「国連は亡霊の舞台」と、氏一流の辛辣さで表現すつつも、国連が人類平和へ機能していくことを願っておられた。
 イギリスのトインビー博士。メイフラワー・タイムの穏やかな日差しがこぼれるロンドンのオークウッド・コートの自宅――応接間のソファで、隣に座った私の膝をたたかれながら、きっぱりと言われた。「国連はいまだ未完成の部分が多いかもしれない。だが、平和ためには国連しかない。人類の統合と調和のためには、粘り強く、国連を支援し、育てていく以外にない」と。
 「米ソの掛け橋」として世界を東奔西走されたアメリカのハマー博士。九十余歳の生命の炎を燃え立たせるようにして、東西緊張緩和の必要性と国連への期待をつとに語っておられた。ロシア生まれらしく「サモワール(ロシア特有の喫茶用湯沸かし器)が欲しい夜ですね」とジョークを飛ばされた花冷えの宵に。また海外訪問の途次、成田空港から大型ヘリコプターをチャーターして訪ねてこられた初夏の創価大学で――。
104p

『池田大作全集』第127巻
大道を歩む2
聖教新聞社

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント