夫婦――共に奏でるシンフォニー

 幸福な夫婦は希望に向かって進歩する――私の好きな言葉である。麗しき夫婦には希望の前進があり、美しき家庭には充実の成長がある。その「調和」と「向上」の歩みは、まさに妙なる名曲ともいえる。まことに、結婚生活とは、一人の男性が奏でる旋律と、一人の女性が奏でる旋律との永遠のシンフォニー(交響曲)であろう。  その曲を豊かにするためには、自分…
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向上の心を躍動させる

 生涯勉強を、と言うことはたやすい。経済大国日本となって、余暇も増えた。趣味も多様化している。しかし、時間があれば、学校に通えば、それだけで自分が豊かになるかというと、そうではない。その人の心の中に”向上の心”が生き生きと躍動しているかどうか、それが鍵であろう。  病床にあっても本を離さないトインビー博士。博士にとって”学ぶ”というこ…
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不屈のネクストワン

 人間の最大の不幸とは何か――。かつて、「アメリカの良心」と呼ばれた故ノーマン・カズンズ教授が私に語っていた言葉が忘れられない。  「人間にとっての不幸とは、死そのものではない。肉体は生きていても、自分の内面で大切な何かが死んでいく――この”生きながらの死”こそ最大の不幸なのです」と。  人生とは劇であるともいえる。劇には「喜劇」と…
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微笑の花束

人の心を温かく包みこむ微笑は、決してつくられるものではない。自分を支えてくれる人々や自然に対して「ありがとう」と感謝する心、相手を尊敬する心、そして、生命それ自体に対する敬虔な心が微笑を生むのだと私は思う。  その意味において、微笑は、幸福の結果というよりも、むしろ幸福を生む原因ともいえるのではないだろうか。こうした豊かな心をもって…
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妻の微笑

 恩師は、私の結婚式の折、このような心温まる祝辞をくださった。  「男は力をもたねばならない。妻子に心配をかけるような男は社会で偉大なる仕事はできない。また、新婦に一つだけ望みたいことがある。それは、主人が朝出掛けるとき、晩帰ってきたときには、どんな不愉快なことがあっても、にっこりと笑顔で送り迎えをしなさい」と。  さりげないようで…
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自分がみじめになるだけ

 「長征は一面では私たちの肉体や生活に極限まで試練を与えましたが、それと同時に、大自然はわたしたちにもっとも豊かな、今までに受けたことのない恵みをも与えてくれました。とても楽しいものでしたよ」(『女たちの長征』徳間書店)  なんたる強靭さであろうか。なんたる心の大きさであろうか。  とともに、私は、苦しみの連続であった剣難の行軍でさ…
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法華経の極説中の極説

 さらに「三諦」の関連について、「仮諦」としての生にも「三諦」があり、「空諦」としての死にも「三諦」がある。常住する「中諦」にも「三諦」がある。  そうした、それぞれの「三諦」が調和し、秩序ある姿をとっていることを、「円融三諦」と説いている。これが法華経の極説中の極説となっているのである。  これらは三諦論の一次元の論議であるが、大…
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「中諦」 永遠不変の核

「諦」とは、「真実にしてあきらか」、また「永遠不変の真理」という意味である。大きくみれば「宇宙」、小さくみれば「生命」の実体を、永遠の法則性のうえから明確に見極めていくものといえようか。そこで「空」「仮」「中」の三諦の「空諦」とは、簡単にいうと、万法の性格、性分のことである。姿、形あるものには、すべて個としての性質がある  例えば、…
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はじまりは何であったか?

 ハイゼンベルクは『部分と全体』と題する回顧録の中で、次のように言っている。  「これまで、われわれは、いつもデモクリトスの古い前提を信じてきた。それは『はじめに粒子ありき』という文章に書き換えることができるものであった。目に見える物質は、それ自身より小さい単位の組み合わされたものであり、そしてどこまでも分割をつづけて行くと、遂にデモ…
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有無を超えた実在

 またイギリスの物理学者ディラックは、何も存在しない「真空」と思われてきた宇宙が、実は、物を生み出していく場であったことを理論的に実証したことで知られている。  この発見は、二十世紀の科学が証明した偉大な成果といえる。仏法には「空」という優れた概念がある。これは”うつろな状態”とか、”無”とかいうことではない。仏法では「一切皆空」とも…
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あらゆる生命との共存

 その意味から、私たちの住む大宇宙の秩序ある変転のなかにあって、人間がどのような能動性を発現しうるかに、人類と地球の運命がかかっているといえよう。万物の調和のリズムに眼を開き、あらゆる生き物と共存しようとする人間生命の姿勢は、宇宙に張りめぐらされた”生命の糸”の働きを支え、新たな創造へと向かっていくであろう。また大宇宙の生命的な営みは、…
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クロマニョン人の心

 クロマニョン人が、アルタミラ洞窟の壁に絵を描いていたことはあまりにも有名である。ここにも、彼らの芸術的才能もさることながら、数々の作品に現れた複雑な精神生活にこそ着目したい。  私はたとえかすかな光であろうと、また、いかに微弱な胎動であろうと、”知性の火”が姿を現しているところには、死に対する自覚が胸をよぎっていくと思う。また、もし…
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ネアンデルタール人の心

 すべての生命が、死を免れえない存在でありながら、ただ、知性、精神の火をともした人間のみが、来るべき死を自覚している。ネアンデルタール人はまさに、死に対する意識を持っていたといわれる。そして同時に、その文化を調査すると、病弱者や老人などに対し、集団の力で守っていたことがうかがえるという。  かの人々の生命には、生死流転を直覚した知性と…
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真の尊厳と充実

 不可思議なる生命の神秘を秘め、無限大に広がりゆく宇宙――。その中を、一貫して貫き通している無限なる生命の法、すなわち、宇宙に実在する一礫一塵までも含む世界観を説き明かしているのが大乗仏教そのものである。  深遠かつ至難な生命誕生のドラマと、広大な仏法哲理に邂逅する時、わが胸中を大宇宙へも連なりゆく世界へと開き、根源的な力に立脚しつつ…
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自然には生命を作りたがる傾向性がある

・・・。しかし、いずれにしても、現実に、この地球上に生命が発生し、進化を遂げた。これを説明するものとして、”自然が生命を作りたがっている”という興味深い説をうかがったことがある。野田晴彦博士はあくまで科学者としての立場を堅持しつつも、「ありうべからざることが一度だけ、何の理由もなく起こったというならば、あとは何の議論もできない。それでは…
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高等宗教への真摯な探究に迫る

 いわゆる真理を求めていく人間の知性や好奇心が自然と人間の一体感を欠落させ、科学と人間生命の断絶をもたらすとしたら、これほどの不幸はない。どこまでも科学は人間から離陸し、また人間に帰還すべきものである。  そしてまた、これを繰り返していくところに、正しい科学観、生命観の樹立がなされていくのではないだろうか。医学といい、天文学といい、科…
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本然のリズムと自身を合致させていく

 あらゆるものが、根柢のところで、他の生命と連なり、自然と連なり、宇宙へと連なっている。文明のそして都市の喧噪のなかにも自然界そのものの持っている生命との相互関連や循環のリズムが厳然とある。人間の肉体的機能や精神的機能それ自体も、本来、自然界のリズムから生じたものであり、社会が複雑になればなるほど、本然のリズムに目を凝らす必要がある。そ…
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綜合的に解明しようとする東洋の思考法

いかなる生命も、大自然と不可分に結びつき、宇宙の律動のなかに個々の生を営んでいる。万物すべてが、大宇宙の絶妙なリズムに支えられて、生と死の流転を織りなしている。しかも、小宇宙たる人間生命に、大宇宙の調和はそのまま集約され、凝縮しているといっても過言ではない。  今までの西洋近代の学問が、ともすれば分析的な方法に走るあまり、総合的見地を…
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疲れているのに眠れない

 宇宙と人間生命の関連性が、密接不可分のもであることは言うまでもない。例えば、人間の血液が、環境の変化と微妙な関係にあることはよく知られている。血圧は、一日のうちでは昼間は高く、夜は低いことが明らかになっているし、季節でいえば、冬は高く、夏は低いといわれる。気温の十九度の部屋から、八度の寒い部屋に移動しただけで、健康な三十代の人でも自律…
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宇宙にある本然のリズム

 朝は太陽がこうこうと昇る。夕方は天空を赤く染めながら夕日が沈む。夜空には無数の星辰が銀色に輝く。この絶妙な自身と宇宙との舞台を思うとき、おのずから人は、深遠なる真理に思いを馳せざるをえない。  大自然のなかで一体感をもって生活していた昔の人々は忙しい現代人よりも、人間自身の生命体と宇宙の生命体の感応について、理論も理屈も超克して豊か…
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