想起(アナムネーシス)論

テヘラニアン:プラトンによると、人間は別の世界――完全な認識が可能な世界――つまりイデア界からやってきたが、現世に下りてくるうちに自分の出自を忘れてしまった。  ゆえに、「学ぶこと」は何か新しいものを得るというより、忘れたことを想起する過程であるというのがプラトンの考えです。ですから、彼の教育法は独特の対話術でした。そのなかでプラトン…
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人間の心にひそむ根本的な悪

テヘラニアン:私なりに言い換えれば、ブッダの出家の目的、つまり仏教の根本目的は、たんに富とか健康とかを追求するというものではなく、三つの自由――「独善からの自由」、誤った認識、つまり「倒錯からの自由」、「貪欲からの自由」――に要約できるのではないでしょうか。 池田:慧眼(けいがん)です。貪欲、独善、誤った認識――それを仏教用語では、貪…
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今の一瞬に無限の生命を生きる

池田:仏教の生死観は、生死を永遠と見ます。ただし、それは霊魂不滅説ではありません。いまの一瞬に無限の生命を生きることができるという意味です。 テヘラニアン:今、会長と話をしていて、二人の女性のことを思い出しました。  ダイアナ妃とマザー・テレサです。両人は自身を超える偉大な目的に生を捧げられ、世界の人々の心を揺さぶりました。ダイアナ…
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「驚きの感覚」と「畏敬の念」

池田:今日の環境危機を早くから指摘していたアメリカの生物学者レイチェル・カーソンの言う「センス・オブ・ワンダー」の感覚、つまり他者や未知のものに対する畏敬の念が、今、失われているのではないでしょうか。すべてを予測可能なもの、既知のものと矮小化してとらえ、それを支配したり加工しようとする。また、できると思っている。 テヘラニアン:それは…
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