すべての考えを一つの帽子の下に集める(包含・包摂)

 頭を覆うものである帽子は、一般に頭を占領する(頭を占める、頭を一杯にする、心を捉える)ものという意味を持っている。包含ないし包摂のことをいう際に俗に「すべての考えを一つの帽子の下に集める alle Begriffe unter einen Hut bringen (いろいろな考えを一つの考えで要約する、一つに括る)」というような表現を…
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「有限」と「無限」ということについて

池田:「有限」と「無限」ということについて、仏教の生命観、とりわけ時間・空間という有限性、限定性を同時に超克しゆく大乗仏教の生命観には、きわめて興味深い視座が説かれています。  私の恩師は、第二次世界大戦中、軍国主義政府と戦い、過酷な獄中生活を送るなか、妙法を唱え抜き、思索を重ね、二つの偉大な獄中体験をえました。その第一が先に触れた「…
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調和と包括性

 道教、儒教、仏教の三思想はいずれも、調和と包括性を重んじ、万物は互いに影響しあうと考えていた。こうした見解のゆえに、中国哲学においては個人の権利という概念が欠落していた。それどころか、(とくに仏教の影響力が増してからは)個人の精神というものさえ認められないことがあった。十二世紀の新儒教には次のようなくだりがある。「宇宙はわが心であり、…
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”物知り”の頭の中

サド―ヴ二チィ:大学教育が学生に与えようとする百科事典的に裾野の広い教養というのは、リベラル・アーツであるべきであります。つまり、一つの学問分野を学ぶとき、つねに関連する学問を視野に収めつつ、諸学問との関係、位置づけを問いながら、学問の全体像を把握させる教授法です。 池田:重要なアドバイスです。近代日本の卓越した学者であり教育者であっ…
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創造性、多様性

 教育という面でいえば、第二次世界大戦後の日本の教育で支配的であった価値観は、大まかにいえば、一流大学を出て、一流企業や一流官庁に就職することを第一義とし、それに準じて、その最高価値を有するブランドを獲得するための手段として幼児教育や初等・中等教育も位置づけられてきました。学校も家庭も社会も、あげてその一点にエネルギーを集中し、成果を求…
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読書が持つ能動性、人間力

池田:私も、二〇〇〇年に世に問うた「教育提言」で、情報化の洪水から身を守るための最大の武器として、良書や名作に親しむことを、強く推奨しました。  読書のもつ能動性、それを持続させる忍耐力、他者の喜びや悲しみへの共感性を育む想像力等、いずれも、あふれかえる情報に囲まれて受け身になりがちな人間が、身につけるべき”人間力”です。  情報化…
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センス・オブ・ワンダー

池田:環境問題を扱った普及の名著『沈黙の春』の著者レイチェル・カーソンは、彼女の最後のメッセージともいうべき『センス・オブ・ワンダー』で、こういっています。  「子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激にみちあふれています。残念なことに、わたしたちの多くは大人になるまえに澄みきった洞察力や、美しいもの、畏敬すべ…
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利用する情報量を最低限に抑える

サド―ヴ二チィ:情報化社会では、大量の情報がつねに洪水のように流れています。私たちは、その洪水と、人間であるために必要な「基礎知識」とを区別できることが大変に重要です。  「基礎知識」とは、換言すれば精神世界と物質世界の両面を人間が正しく認識するために必要なものといってもよいでしょう。それは決して特別なむずかしい学問的理論である必要は…
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自分の分際や能力に見合っていること

池田:仏教では、対象を認識する拠りどころとして「六根」を説いています。すなわち、①眼根(視覚器官と視覚能力)、②耳根(聴覚器官と聴覚能力)、③鼻根(臭覚器官と臭覚能力)、④舌根(味覚器官と味覚能力)、⑤身根(触覚器官と触覚能力)、⑥意根(思惟器官と思惟能力(の六つです。  それらをとぎすまし、総動員しなければ、対象を正しく認識すること…
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命名による世界観形成

サド―ヴ二チィ:コンピューター世界における擬人化現象に気づくのは容易なことです。まず・・・。 池田:それは、言語人(ホモ・ロクエンス)としての人間の本質に由来しています。コンピューターに限らず、自然といい宇宙といっても、人間がそう名づけているにすぎず、名づけたとたんに「人間的自然」「人間的宇宙」以外の何ものをも意味しません。そこに、命…
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教育のコンピューター化?

サド―ヴ二チィ:ただし教育のグローバルなコンピューター化を支持する人々の着眼点は、むしろ技術的な側面にはないのです。彼らは、それによって、教育を「集団から個人」にシフトさせることが可能になると期待しているのです。この点については、私が発したい疑問はたった一つ、教育をあえて個人化させる意味と価値がどこにあるのかという点です。  はたして…
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「リズム」について

 リズムというのは、私は一つの命を吹き込む、一つの動作というふうに思います。リズムというものがないと、例えばリズムに似たものがそこにあったとしても、本当のリズムというものがそこになければ、どんなに頑張っても命がそこに吹き込まれない。ですから、リズム=命の源というふうに思います。 196p 『ヴァイオリニストは音になる』 千住真…
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手指のこわばり

「手の指がこわばる」とは? どのような意味か分かりにくいですね。 しかし、患者さんの訴えたいことはよくわかります。 症状も一つとは限らないし、部位もさまざま。 ・指が動かしにくい ・指の変形 ・腫れ ・痛み ・擦れるような感じ     等々 病名も、 ・結節 ・ばね指 ・手根管症候群 ・リウマチ    …
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ソフト・パワー「対話」

対話とは、異なる世界に生きる人間を理解するプロセスに他ならない。また対話とは、双方がそれぞれの文化のなかで異質の経験をしてきており、異なる情報を蓄積してきていること、そのために認識の隔たりがあることを前提とし、受容し合うことでもある。  それは、差異を乗り越えて理解にいたるための努力と寛容を要する労作業である。ゆえに真の対話は多様性を…
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「共業」 「仏性」

池田:したがって、人間の営みであるそれぞれの階層の「共業(ぐうごう)」も、個人から家族、民族をへて、人類、大自然へと開かれていきます。  異なる伝統(共業)が、それぞれに差異の相を示しているからといって、そこに執着しているのは生命の表層次元にとらわれるからであって、深層へと降り立ってみれば、そこには必ず、人間の名において共振し合える生…
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「共業」ー伝統

サド―ヴ二チィ:私は、「伝統と近代化」の問題を「時間」との関係のうえでみていくことが重要であると考えます。そうすることによって、伝統と近代化を、いってみれば「時間の設計者」ととらえることが可能になり、「伝統」と「近代化」の鋭い拮抗を和らげることになると思いますが、この点についてお考えをお聞かせください。 池田:伝統と近代化を「時間の設…
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循環的時間のなかに

池田:ところで、循環的リズムを繰り返すといっても、同じものが繰り返し再現されるのではなく、それらを統べるものとして、中国的にいえば「道」、仏教的にいえば「法」が貫流しており、その「道」や「法」にのっとって時間は無始無終に流れていく――大まかにいえば、そのような構図になろうと思います。  大切なことは、そうした歴史観、世界観、宇宙観が、…
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「共に生きる」

池田:ピョートルの改革については、賛否両論があるでしょうが、それはさておき、近代化の延長に位置づけられる現代のグローバリゼーションーー民主主義や市場経済の要請に対しても、性急な対応は禁物であり、それぞれの伝統や民族性を十分に考慮しつつ、無理なく内発的に進めていくべきでしょう。 サド―ヴニチィ:内発という視点の重要性については、私が重ね…
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「世間」で成功するかは関係ない

 父が若かりし日につけていたその日記には、父からは一回も聞かされなかった壮絶なほどに苦しい生活の様子などが書かれていて、私たち子どもは皆大変ショックだった。いつもにこやかな父の知られざる過去を知り、それらを思い合わせると、「すべての言葉は意味があって言っているんだ」と気付かされた。  そうなのだ。父が私たちに言いたかったことは・・・。…
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「世間」という集団意識

池田:こうした集団主義が、日本人の個性を、影の薄いものにしているのです。個人を立てるよりも他人の眼、世間の眼を気にする、意見を通して摩擦を生むよりも、和を尊ぶ――おとなしくて”お行儀”がよいわけです。  よく、国際会議の場で日本人の行状が、三つの”S”、すなわち「微笑(スマイル)「沈黙(サイレンス)」「居眠り(スリープ)」(笑い)など…
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