生命の根源へまで帰還する

 あらゆるものが、根柢のところで、他の生物と連なり、自然と連なり、宇宙へと連なっている。文明のそして都市の喧噪のなかにも自然界そのものの持っている生命との相互関係や循環のリズムが厳然とある。人間の肉体的機能や精神的機能それ自体も、本来、自然界のリズムから生じたものであり、社会が複雑になればなるほど、本然のリズムに目を凝らす必要がある。そして自身をそれに合致させていくことを生の基本とすべきであろう。その合致のなかでこそ、本当の安定感と充実が生まれると思う。
628p

『池田大作全集』第119巻
私の人間学
聖教新聞社

 私たちは生物的生命の進化を辿ることによって、生命の先端は人類に至っていることを知りました、しかしその人類は人類種という一種の動物種となることによって、固定に陥ったのです。あるいは、前進をやめて同じ場所での円環運動の無限な繰り返しとなってしまったのです。しかし、もし生命とは創造であるなら、人間は単に一つの生物種としての人類にとどまっていることはできません。それを乗り越えるために誕生したのが偉大な神秘家と呼ばれる特権的人間です。それらの人たちは人類種の一員であるよりも、この個人によって逆に新たな種の人間性が誕生するのです。しかしそれらの人たちは、ただ生物的生を前進するのではありません。逆に生命の根源へまで帰還するのです。それによって生命の源泉に浸り、そこから満ち溢れる生命となって再び湧出し、自ら生命の創造を体現するのです。
57p

『仏教大学講座講義集』(二)
東洋哲学研究所
「ベルクソンの生命論」
澤瀉久敬

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