不幸の根拠を排除する必要はない

われわれは自殺の決意をした人間の企図をなくさせる為に、あらゆる不幸の根拠を世界から排除することはできないし、また排除するべきではないであろう。われわれはあらゆる失恋した男性に女性を与え、あらゆる経済的に困窮している人間に職を授ける必要はない。ただ彼らが、何らかの理由によって彼らがもつことのできなかったもの無しでも、生き続けて行くことができるばかりでなく、また彼らが、人生の一片の意味をその中に見るようになり、不幸を内的に克服し、運命の試練によって精神的に成長するように、彼らを導くことが成功せねばならないのである。
64p

『死と愛』
V.E.フランクル著
みすず書房

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