あらゆる人の苦悩を自分の苦悩にする

 仏教では、存在は根本的には苦であるとします。そして、それゆえにこそ、いっさいの存在への同苦を菩薩修行の基盤とするのです。慈悲とは、抜苦・与楽の両面を実践することであるとされます。そしてこの慈悲こそ菩薩としての修行の不可欠の要素であるとともに、その修行を全うした仏陀にそなわる特質ともされるのです。
 弱者への慈悲はだれ人にもおこる心の働きですが、しかし、ふつうは自分にとって関係の深い人々、妻や子、姉妹などにかぎられることが多いものです。無関係の人の苦悩については無関心あることが多く、憎んでいる相手の苦は、自分にとってむしろ喜びになってしまうこともめずらしくありません。
 これに対し、菩薩や仏の慈悲は、あらゆる人々に平等にそそがれます。菩薩や仏は、あらゆる人々の苦悩を自身の苦悩とすることによって、その苦悩を乗り越える道を教えるのです。
 日蓮大聖人は「一切衆生の異の苦を受くるは悉く是れ日蓮一人の苦」(御書758p)
154p

『池田大作全集』第13巻
二十一世紀への人間と哲学
池田大作
J・デルボラフ
聖教新聞

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