日本人の道徳的品性

 私が生まれ育った故郷、東京の大田区には有名な「大森貝塚」がある。貝塚を発見したアメリカの動物学者エドワード・モースは、明治初頭の日本を見聞して貴重な記録を残しているが、そこには、他の国とは異なるかつての日本人の優れた道徳的品性への驚きが、率直にしるされている。
 「人道の名に於いて道徳的教訓の重荷になっている善徳や品性を、日本人は生まれながらに持っているらしい」
 「衣服の簡素、家庭の整理、周囲の清潔、自然及びすべての自然物に対する愛、あっさりして魅力に富む芸術、挙動の礼儀正しさ、他人の感情についての思いやり・・・これ等は恵まれた階級の人々ばかりでなく、最も貧しい人々も持っている特質である」(『日本その日その日』平凡社)と。
 日本の庶民に根づいた、こうした穏やかで美しい風俗、風儀については、当時この国を訪れた外国人の多くが共通して称えているようだ。夫婦の思いやり、子への愛情、老いたる者へのいたわり、友人、知人への礼節、命あるものへの慈しみ・・・いうなれば、古の万葉人にも通じるおおらかな明るさと、質朴で率直な人間としての真情が、民衆のなかに逞しく鼓動していたのである。
78p

『池田大作全集』第120巻
心の四季
聖教新聞社

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