死んだほうが楽しい?

 あまりに耐えがたい日々を送っていると、しまいには病気で死んだほうがずっと楽しいと考えるようになる。こういう考えは、どんな病気に対してもひどく強い。喜びというものは、どんな腕のいい医者よりももっとじょうずに、肉体をその内部で処置するものだ。すべてを悪化させるのは、もはや、病気であるということの恐怖ではない。よく言われているように、死を神の恩寵として待っていた隠者たちがあったとすれば、かれが百歳まで生きたとしても、わたしは意外に思わない。老人たちがなにかに関心をもつことがなくなってから、長いあいだ生きながらえるのにわたしたちは感心するが、それはおそらくかれがもはや死の恐怖を感じないことに由来するのだろう。これはつねに理解しておく価値のあることだ。
269p

『幸福論』
アラン著
集英社文庫

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