「しかしまあ教えてあげましょう」

 わたしがどうして呪術医なんかに治療してもらって、すぐなおるようなことが起こるのか、その説明を求めると、シュバイツァー博士は、そんな問いはヒポクラテス以来代々の医者が隠しつづけてきた秘密を洩らせと言うようなものだと答えた。
 「しかしまあ教えてあげましょう」と博士はやはり例のかすかな微苦笑を浮かべてつづけた。
 「呪術医が治療に成功するのは、同業のわたしたちすべてが成功するのと同じ理由によるのですよ。どの患者も自分の中に自分自身の医者を持っている。患者たちはその真実を知らずにわたしたちのところへやって来る。わたしたちがその各人の中に住んでいる医者を首尾よく働かせることができたら、めでたし、めでたしなんです」
 プラシーボは、その各人の中に住んでいる医者なのだ。
55p

『笑いと治癒力』
ノーマン・カズンズ著
岩波書店

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