心の支えー使命

 「ここで問わなければなりません。典型的な囚人になってしまったのはいつでしょうか。その人が自分の心を没落するままにまかせたのはいつでしょうか。その答えは、心の支えをなくしたときだ、心の支えがなくなったらすぐだ、という答えになるはずです。この支えは、二つのものにありました。つまりそれは将来にあるか、永遠にあるかでした。後者は、本当に宗教的なすべての人たちの場合でした。この人たちは、将来を支えにする必要もありませんでした。将来解放されてから外の世界で自由な生活を送ることを支えにする必要もありませんでした。その人たちは、そもそも将来を体験するという、つまり強制収容所で生き延びるという無理な要求を将来の運命に背負わせなくても、気持ちをしっかり持っていることができたのです」
129p
 「・・・。こうした精神的心理的身体的な衰退に対しても何らかの治療ができるのではないだろうか、と。では、どんなことができたでしょうか。それに答えて言えることはただつぎのことだけです。たしかに何らかの治療ができたでしょう。けれども、その治療は明らかにはじめから心理的な要因だけに向けられざるをえませんでした。したがって可能なのは心の治療だけだったのです。そうした心の治療について第一に重要なのは、いうまでもなく、精神的な支え(ハルト)を与えること、生きていることに内容(インハルト)をつまり意味を与えることでした。・・・」
133p

『それでも人生にイエスと言う』
V・E・フランクル著
春秋社

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