原子力エネルギーの問題

 池田:とくに原子力エネルギーの問題は、たんに資源の有限性というだけにとどまらず、たとえ、資源は残されていっても、消費した結果として生ずる廃棄物が人類の生存を危うくしてしまいますから、なおさら深刻です。石油資源の場合も、その使用ずみの廃棄物質が大気や水を汚染しますが、原子力エネルギーの場合は、その何倍も大きな危険を含んでいます。
 私は、資源全般の消費に対する考え方の転換が全人類に徹底されなければならないと訴えるとともに、とくの原子力エネルギーの問題は、過去に人類がぶつかってきたいかなる問題とも質を異にしていることに気づくべきだといいたいのです。つまり、蓄積されている量がある限界まで達しなければ無害か、有害であっても致命的ではないのが、核以外の物質の汚染でした。ところが、原子力エネルギーの廃棄物の場合は、それがどんなに少量であろうと、必ず致命的な害を及ぼします。
 その意味で、原子力エネルギーの開発と実用化は、その目的がたとえ平和利用であっても、慎重に考慮すべきであると考えます。そして、もし、絶対的に永久的に安全な、廃棄物の処理法が発見されれば、そのとき初めて、利用を再開してもよいと思います。しかし、それまではいったん中止しても、危険な廃棄物を生じないエネルギー資源の開発、循環可能で枯渇の恐れのないエネルギー資源の開発に、現代科学の総力を傾注して取り組むべきであると思うのです。

『池田大作全集』第5巻 闇は暁を求めて
池田大作 ルネ・ユイグ
聖教新聞社

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