仏教の生命尊厳の理念

池田 生命尊厳の理念にもとづいて、人生の苦悩を、勇気を出して乗り越えるためにこそ仏教があります。仏教では、永遠の生命観に基いて、死によっては断じて現在の苦しみを解消できないことを覚知させるとともに、絶望と悲哀の淵で自殺さえも考えなければならない人々に、勇気と希望を与えるために慈愛の手を差しのべていきます。
仏教者は、苦悩に直面して生と死の境界をさまよう人を、<生の側>に引き戻す具体的な行動を起こすべきだ、と私は考えております。そのような行為こそ、人間として最高に誇るべき生き方を示す菩薩道の実践の姿、というべきでしょう。
『池田大作全集』103巻
「宇宙」と「人間」のロマンを語る
C・ウィックラマシンゲ
池田大作共著
聖教新聞社
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