「地球が笑った」

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「地震」
その軌道をめぐる天体は、人間の心を、はかりしれないよろこびの高みにまで突きあげる力をもつ。一般に、人間は天体を意識していない。天体というものが突然念頭にのぼり、実在としてとらえられると、それは壮大な光景を私たちのまえに展開してみせる。
ケプラーは、何年にもわたる研究を経て、ついに所惑星の運行の法則を発見した時の感慨を書きとめている。
「私は喜びのあまり我を忘れた。賽は投げられたのだ。このような感動を私はかつて知らない。体はふるえ、血は湧きたつ。神はその御手の業に見入る一人の観衆を、六千年間待ち給うたのである。神の叡智は限りなく、それについてわれわれが無智であることも、われわれが知り得たごくわずかなことも、神のなかに含まれている」
地震のときに私をとらえ、全身を揺りうごかしたもの、まことにこれと同じ忘我の境地あった。
この壮大なよろこびの感覚は、不動であると確信して疑わなかったのもが、それ自体として動くのだと意識することからきている。それはおそらく、人の世で最も強烈なよろこびと希望に満ちた感動のひとつにかぞえられるのではあるまいか。
鈍重な地球、生命をもたない土壌である大地そのものが、私の足の下で身をおこし、伸びをしたのだ。地球は私に、ほんの軽くふれて、一つの通信を送ってきたのだが、それは、はかりしれない意味をもっていた。地球は笑った。そのせいで土地の人びとの小屋は倒れ、こう叫んだ。「それでも地球は動く」

『アフリカの日々』
ディネセン著
河出書房新社

生命の法則の一部であり、あらゆるすべての法則が妙法蓮華経。
欠減することなし。

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